こんにちは、池袋東口託児所「つながり」、保育士の柚木です。
皆さん、「叱ると怒るは違います。子どもは怒るのではなく叱りましょう」なんて言葉を聞いたことがありますよね。
よく聞く言葉ですのでどんな意味なのかよくわかっていらっしゃるのではないかと思いますが、いざ実践してみようとすると中々うまくいかない、なんてことありませんか?
じつは「叱る」と「怒る」は明確に違いがあります。
そして叱る時はいくつか注意しなければならないポイントがあるのです。
このポイントを忘れてしまうといくら子どもを叱ってもほとんど意味がないなんてことにもなってしまいかねないのです。
今回はそんな「叱る」という事についてまとめてみました。
目次
子どもの叱り方・叱ると怒るの違い
それではまず、叱ると怒るの違いについてです。
そんな事もう知っているという方も今一度復習だと思ってお付き合いください。
「怒る」とは
ではまず「怒る」についてです。
怒るとは相手の事を考えずに自分の感情に任せて興奮し、思うがままに自分のストレスを発散する行為です。
怒ることの目的は自分のイライラ、ストレスを発散することが目的になります。
つまり自分を中心に考え、自分のために行動している状態が「怒っている」状態です。
「叱る」とは
次に「叱る」についてです。
叱るとは相手の事を考えて相手をより良い方向に導くために注意やアドバイスをすることです。
叱ることの目的は相手をより良い方向へ導くことが目的になります。
つまり相手の事を考え、何が問題だったのかどうすれば改善できるのかを相手が理解できるように行動している事が「叱っている」状態です。
簡単にまとめると
これらの事をまとめると「怒る」は相手の事は考えず自分がスッキリするための行動、「叱る」は相手をより良い方向へ導くための行動となります。
つまり怒るのは自分の為、叱るのは相手の為となり誰を中心として考えたのかが違います。
これが「怒る」と「叱る」の違いになります。
では子どもを怒った時と叱った時でどう違うのかというと子どもは怒られると委縮してしまい話の内容よりも怒られている状況から早く抜け出したと考えてしまい話の内容もわからずに返事をしたり、よく理解しないまま大人が望んでいる回答を答えたりしてしまいます。
逆に叱られていると子どもに理解を促すことも目的の一つですのでちゃんと子どもが考えて返事をしやすくなります。
子どもの叱り方・叱る意味
次に叱る意味についてですがこれは先程も少し書きましたが、子どもをより良い方向へ導くために注意やアドバイスをすることになります。
叱るとは子どもの成長を促すために叱るのであって、いくら言葉で子どものためを思って叱っているんだ!と言っても肝心の子どもが理解できていなければ意味がありません。
叱るのであれば自分の考えばかりを押し付けるのではなく、何が原因だったのか、何がわからなくてできなかったのか、できるようになるためにはどう改善していけばいいのかをちゃんと子どもが理解できるように伝えていく必要があります。
つまり子どもの成長を促し、成長の糧になる事が叱る事になります。
子どもの叱り方・叱る時のポイント
それではどうやって叱るのかといえばいくつか注意することがあります。
まず大人が興奮して感情的にならず声も態度も落ち着いた状態で伝えることです。
大人が興奮していたり感情的になってしまうと声も態度も荒々しくなり子どもに対して威圧感を与えてしまいます。
そんな威圧感を受けている状態では話を聞くよりも委縮してしまい、まともに聞く事ができず、早くその空間から逃げる、あるいは大人を落ち着けるために話を理解しないままに大人の望む答えを口にしてしまう事があるからです。
次に叱る時は具体的で子どもに合わせてわかりやすい言葉で伝えましょう。
大人が普段から使っている言葉でも子どもにとっては意味を良く理解できない難しい言葉というのはたくさんあります。
子どもにとって難しい言葉で話しても内容を子どもが理解できなければ叱っている意味はなくなってしまうので、言葉選びも注意しましょう。
そして伝える時は子どもが聞き取りやすいように落ち着いた声でなるべく簡潔に短くしましょう。
長々と話をしても子どもは話を聞く集中力が途切れてしまいますし、最初に話した内容を忘れてしまう可能性もあるからです。
また話す時は同じようなことをした時は誰が叱っても同じ内容になるようにしましょう。
同じようなことを叱るのに大人によって内容が違うと子どもは混乱してしまい良いのか悪いのかわからなくなってしまう事がありますし、あの人の前ではやっても良い、あの人の前ではやらないとなって叱っている意味が薄れてしまいます。
次に叱る時はできない事を許容したうえで改善案も伝えるようにしましょう。
ただ叱るだけでは子どもは次からどうすればいいのかわからず改善に時間がかかってしまう事になります。
ちゃんと改善案を伝える事で次に同じようになった時に子どもが思い出して改善できる下地を作っておくのです。
またできなかった原因やなんで叱っているのかも伝えるようにしましょう。
出来ない原因ややる理由も伝えずにただこうしなさいと伝えても子どもには響かず同じような行動を繰り返してしまいがちです。
ちゃんと原因や理由を伝える事で子どもが受け入れやすくなるのです。
そして叱るだけでなくその中でも良かったこと(誰かのために行動した等)を伝えると子どもは自分がちゃんと大人に認められていると認識でき、ただ叱られただけよりは子どもが叱られたことを素直に受け入れやすくなります。
また叱る時は子どもと誰かを比べるのはやめましょう。
叱る時つい兄妹や友達などと比べてあの子はできるのになどと言ってしまうと比べられた子どもは余計に自分は何もできない、大人にとっていらない子なのではと思い込んでしまう子があり、子どもの心の成長に影響が出てしまう事がありますので誰かと比べる様な言葉は使わないように気を付けましょう。
次に叱るタイミングですが一番良いのは何かしてしまった直後に叱ることです。
子どもは記憶する力が発達しきっていない事もあり直後であれば子どもが自分がやってしまったことを鮮明に覚えていますが、時間が空くにつれて自分の行動も記憶が不鮮明になってしまいます。
また覚えていたとしても叱られないからこれはやっても良い事だと考えるようになってしまう可能性が出てきてしまいます。
なので叱る時は時間を空けずに行いましょう。
ただし、どうしても大人が感情的になりそうな時は一呼吸おいて大人の菅女王を落ち着けてからでも大丈夫です。
最後に子どもは一度叱っただけでは理解しきれず同じようなことを繰り返してしまう事が多々あります。
そんな時も落ち着いて根気強く何度でも繰り返し同じ内容で伝えていきましょう。
子どもの叱り方・まとめ
今回は「叱る」という事についてまとめてきましたがいかがだったでしょうか?
子どもをちゃんと叱るのって意外と難しいんです。
大切なことは子どもがちゃんと理解できるようにすることで、感情的にならずとも理解できない伝え方は「叱る」ではなくなってしまうのです。
では今回の「叱る」についてポイントをまとめましょう。
・「怒る」は大人が感情的に子どもの事は考えずストレスを発散する行為
・「叱る」は大人が落ち着いて子どもをより良い方へ導くために注意やアドバイスをする行為
・伝える時は大人が落ち着いていること
・具体的で子どもが理解しやすい言葉を使う
・聞き取りやすい落ち着いた声で短く簡潔に
・同じようなことがあったら誰が叱っても同じ内容で叱る
・できない事を許容して改善案も伝える
・できなかった原因や叱る理由も伝える
・叱るだけでなくその中でも良かったこと(誰かのために行動した等)を伝える
・誰かと比べない
・叱るタイミングは何かしてしまった直後、ただしどうしても感情的になりそうな時は一呼吸おいて
・根気強く何度でも
このように 叱る時は上記のポイントに注意しましょう。
また叱る相手が大人でも注意することは基本的には同じです。
そして子どもを何度叱ってもあまり改善が見られない時はどこか間違っていたり、できていない事があるのかもしれません。
叱る前に子どもに何を伝えたいのか、しっかりと自分の中で確認してから叱るようにしてみると良いのではないかと思います。
今回の記事が少しでも皆様の子育てのお役に立てればと思います。