こんにちは、池袋東口託児所「つながり」、保育士の柚木です。
お子さんの行動、何度注意しても繰り返してしまう事ってありませんか?
大人が何度注意してもやめず、大人が怒っているのをわかっていてわざと繰り返しているような行動を皆さん一度や二度は経験されているのではないでしょうか。
子どもというのは基本的に物事の善し悪しなどは考えず、ただ自分が楽しいと感じたから行動してしまう事が多々あります。
そして何度も同じことを繰り返してしまうのは子ども自身の気持ちだけでなく周りにいる友達や大人にも原因があったりするのです。
では子どもが何度も同じことを繰り返すような時、大人はどのように対応したらいいのか、繰り返し行動の原因やどのように改善してけばいいのかをまとめていきたいと思います。
目次
子どもの行動について
まず始めに子どもの行動というのは基本的に子どもの主体、つまり子ども自身がどうしたいかという気持ちが優先されます。
大人では当然考えている周りの状況やモラル的なこと、衛生面での配慮、周囲の人への配慮などを子どもは中々考えられず、まず最初にあるのは「自分が!」という気持ちです。
いずれ成長すれば子どもも周りの事を考えて行動できるようになっていきますが、それもすぐに出来るようになる訳ではありませんので時間がかかります。
つまり子どもが注意しても何度も繰り返し行動する理由の一つは、子どもがやりたいから何度も繰り返すという子ども側の気持ちが理由の一つにあるという事です。
子どもの行動・繰り返す理由
先程、繰り返し行動の理由の一つとして子どもの気持ちという事を説明させていただきましたが、もちろん原因はそれだけではありません。
子どもの気持ちも理由の一つではありますが、周囲の友達や大人の反応が子どもの繰り返し行動の原因の一つになってしまっている事もあるのです。
子どもの行動を繰り返させてしまう反応とはどういうものかというと、子どもの行動に対して何かしらの反応を返すことになります。
この反応というのは行動に対して、褒めたり喜んだりすることはもちろん、他の子が泣いたり嫌がったり、大人が注意をしたり叱ったりすることも反応していることになるのです。
叱っているのに子どもが何度も繰り返す原因はまさにそこで、子どもは友達が泣いたり嫌がっている、または大人が怒ったり注意してくることを自分がやったことに対して反応してくれた!嬉しい!もっとやったらもっと構ってもらえる!という風に考えてしまう事が原因になっているのです。
つまり子どもは行動自体を楽しんでいる事はもちろんなのですが、この周りの友達や大人が反応してくれることが面白くて繰り返してしまう事があります。
このように同じような行動を繰り返し、より強く行動するようになることを「行動の強化」と言います。
次は行動の「強化」とさらに「消去」について詳しく説明していきたいと思います。
子どもの行動・強化と消去
それでは先程出てきた行動の「強化」と「消去」について詳しくご説明します。
行動の「強化」とは特定の行動を繰り返すうちにより頻繁に、より強く行動するようになること、「消去」とは特定の行動を繰り返すうちにだんだんと行動しなくなることを言います。
そして行動を「強化」するのか「消去」するのかは周りの反応を子どもがどのように感じたのかによって変わってきます。
例えば子どもがお手伝いをした時に大人が褒めたり、お礼を言ったりすると言われて嬉しくなった子どもは自分から手伝いを始めたり、頻繁に手伝いをしてくれるようになる等、子どもにとって良いこと、喜ばしいことがあると子どもがより一層行動するようになることが行動の「強化」になります。
逆に子どもがお手伝いをしたにも関わらず、うまく出来ていないと怒ったり、いつもはやらないのに珍しいね等、嫌味を言ったりすると子どもにとって嫌なことになり、子どもは次からやろうとしなくなったり、行動に対して周りがあまり反応してくれなくてつまらないと感じるとやろうとしなくなることが行動の「消去」になります。
┌ お手伝いをした ┐
↓ (子どもの行動) ↓
子どもにとって良いこと (周りの反応) 子どもにとって嫌なこと
↓ ↓
より一層行動する (結果) 行動しなくなる
(強化) (消去)
子どもの行動に対して良いことや反応をすると「強化」されてより頻繁になり、嫌なことや反応をしないと「消去」されてやらなくなる、これが行動の「強化」と「消去」です。
つまり子どもが何度も同じ行動を繰り返しているのは行動が「強化」されているからであり、「強化」してしまっているのは周りにいる友達や大人が子どもにとって良いことをしてしまっている可能性があるのです。
子どもの行動・行動の強化の注意点
さて次は行動の「強化」について注意するべきことをまとめていこうと思います。
繰り返す理由などでも少し出てきましたが、子どもの行動を「強化」する良いこととはあくまでも子どもにとって良いこと、嬉しいことを指しています。
つまり大人の価値観、感覚の中では良いことと思っていなくても子どもの中では良いことと思っているしまうと「強化」されるという事です。
大人が叱ったり注意しても、子どもが自分のしたことに大人が反応してくれた、構ってくれて嬉しいと思ってしまえば行動が「強化」されてしまう事があるのです。
これが叱ってもやめない、余計にひどくなると言われている事の原因の一つで、あくまで子どもの中での基準に基づいているということなのです。
子どもの行動・改善するには
さて次は子どもの行動を改善していくためにどうすればいいのかについてです。
行動を「強化」するには
子どもの行動を「強化」していくには、子どもがとった行動に対してちゃんと反応してあげて子どもが嬉しいと思えるようにしてあげる事です。
子どもが自分からやろうと思えるためのポイントは、子どもがとった行動に対して褒める、一緒にやってみる、遊びに取り入れる、「お仕事をお願いする」など特別観を演出する、等子どもが楽しみながら取り組んだり、できたら沢山ほめてあげたりなど子どもがやって良かった、楽しかったと思える環境や言葉がけをしていくことです。
そうして子どもが楽しい、嬉しいと思えると同じような行動を自分から積極的に行おうとするようになり、結果行動が「強化」されていきます。
行動を「消去」するには
子どものやってほしくない行動を「消去」していくには、子どもがとった行動に対して子どもが嬉しいと思える反応をしない事です。
子どもの行動を「消去」していくポイントとして、子どもの行動がそこまで危険でないなら一言注意する程度に抑えてあまり反応しないようにすることで、子どもが思っていたのと違う、あまり反応してくれないと感じ、その行動に対してあまり魅力を感じにないようにすることでまたやりたいと思う事を減らし、行動に対して消極的になるようにするのです。
結果、子どもが段々とまたやりたいと思わなくなればその行動をする回数も少なくなり、次第にしなくなっていく、つまり行動が「消去」されるのです。
そして行動の「消去」をしようと思ってもつい「なんでそんな事するの!」など過剰に反応してしまうと子どもは言われた内容よりもただ反応してくれたことが嬉しくて余計に行動が激しくなる可能性もあるので子どもに対しての反応には注意しましょう。
そして注意点として子どもの行動を改善しようとして無理に強制したり、子どもの心を傷つける様な言動は絶対にやめましょう。
子どもの行動・まとめ
今回は子どもの行動の「強化」と「消去」についてまとめましたが、この「強化」と「消去」というものは普段からあるものです。
1回の行動での影響は小さいものですが、それが毎日少しずつ積み重なっていくと大きなものとなっていきます。
子どもの行動が「強化」されるか「消去」されるかは、子ども自身の気持ち、周りの反応、行動に対しての満足感など様々な理由で決まってきますので、今回の方法を試したからといって絶対うまくいくとは言えません。
子どもによってこの方法が合う合わないもありますので、行動への関わり方の一つの方法として、他の方法と合わせて活用していただければと思います。