子育て,1歳,子どもの育ち

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子育て<1歳児の成長>

こんにちは、池袋東口託児所「つながり」、保育士の柚木です。

今回は子育てにおける1歳児のお子さんの成長について大きく心と身体に分けてそれぞれの詳しくまとめていきたいと思います。
個人差はありますが、おおよその発達段階の理解は子育てにおいて適切な支援に役立ちます。まずは1歳児の成長と発達の特徴をチェックしてみましょう。

 

子育て<1歳児の成長>

1歳前後で歩き始め少しずつ動きが安定すると、次は走ったり飛んだりと、動きがぐっと多彩になるのが1歳児です。
そして歩いたり、よじ登れるようになることで行動範囲が広がり周囲の環境に興味を持ち探索活動が活発になります。

しかし探索活動が活発になることで怪我などの危険が増えてきます。
また周囲の友達にも関心を持ち始めますが、関わり方が未熟な為トラブルも多く起こってしまいますので、子育てでは今まで以上にお子さんの行動に注意が必要になる年齢と言えるでしょう。

 

1歳児の身体の成長と発達

基本的な運動能力の発達は2歳くらいまでに終了すると言われており、この時期の急成長がわかりますね。

台や階段をよじ登ったり縁石を歩いたりと、興味のあることには積極的にチャレンジしていくので、見守りとサポートが欠かせなくなります。
公園では滑り台などの遊具にトライする子も出てきますが、まだ体のバランスを保つ力が不十分なので、転倒・落下などの危険が大きい時期です。
すぐに対応できる位置で見守りましょう。

手先の器用さも増してきて、集中して細かい遊びをすることも増えてきます。
クレヨンなどでの殴り書きや、積み木、ブロックなども少しずつ扱えるようになり、お花摘みやシール貼りなどが楽しくなるのもこの時期です。

 

運動能力

1歳を過ぎ全身の筋力がついてくるとしゃがんだり立ち上がったりといった全身運動が活発になります。さらにつかまり立ち・伝い歩きから段々と一人で歩けるようになり、早い子であれば4ヶ月頃には椅子の上や階段をよじ上れるようになってきます。

1歳5ヶ月を過ぎると足の力もつき、手を引かれながらであれば階段上ることもできるようになります。

1歳6ヶ月頃になると身体のバランスをとるのも上手になり落ちているボールであれば蹴ることができる様になる子も出てきます。

1歳8ヶ月を過ぎると肩周辺の筋肉もつき、スムーズに動かせるようになってきます。その結果手に持ったボールを上手で投げる事もできるようになる子もいます。

1歳10ヶ月頃になるとバランスをとるのもかなり上手になり、その場でジャンプしても転ばずに着地できる様になります。

2歳間近になると踏み台に乗る、段差を乗り越える、20センチほどの高さから飛び降りれる子も出てきます。また駆け足が出来る様になるのもこの時期です。

さらに大人が想像する以上に腕力も発達して、動かせないだろうと思うものまで動かせてしまいます。
ペットボトルを持ち上げたり椅子を引いたりする事も出来るようになるため、怪我にはよく注意する必要があります。

 

操作能力

1歳になると手の運動神経も発達してくるので、手先を器用に使えるようになります。
興味・関心を持ったものに触れたり、蓋を開けて中身を取り出したりといったように、かなり細かな動作もできるようになってきます。

さらに物を手に握ったままでも上手に動かせるようにもなるため、お絵かきや打楽器遊び、食器の扱いなどにも挑戦できるようにもなってくる時期です。

1歳4ヶ月を過ぎると手先の器用さもますます洗練されます。ブロックを2~3個ほど積み上げたりもできるようになります。

1歳6ヶ月頃になるとクレヨンなどを持ってぐるぐる曲線を描けるようになります。

1歳7カ月頃からはさらに細かな手先の動きもできるようになり、絵本をめくったり、お菓子の包み紙をむいたりできるようになります。

 

1歳児の心の成長と発達

欲求がどんどんと湧いてくるのに言葉がなかなか追いついてこない時期です。
泣いたり怒ったり、時にひっくり返ったりと、感情の起伏を全身で表します。

友だちへの共感が芽生えるために関わり合いが増えますが、噛みつきやひっかき、オモチャの取り合いなどのトラブルが増えてくる時期でもあります。
「ぼくも遊びたい」「あのオモチャはきっと楽しいにちがいない」といった思いから、ケンカへと発展していくのです。

また、大人からみると「いたずら」に見える行為を探究心や興味からやってしまうこともでてきます。

発生した行動に対しては、まず、子どもの立場に立って関わる事を忘れないようにしましょう。
そして、一語文から子どもの思いを汲み取って言語化して満たしてあげましょう。
主張を認めて気持ちに寄り添うことがこの時期の子どもたちにとってとても重要です。

 

言葉

1歳になる頃には「ママ」「パパ」「ブーブー」など一語文で会話できるようになります。
そして語彙が徐々に増えていくと共に、大人の発する言葉への理解度が高まっていきます。

子どもから出る言葉はまだまだ少ないですが、大人の言っていることは大人が思っている以上にしっかりと理解しています。
言葉への理解度が高まるにつれて「ここで待っていてね」「~とって」などの指示も理解することができるようになるでしょう。

1歳7ヶ月頃になると言語能力が発達し、名前を呼ばれると返事をしたり、簡単な問いかけに言葉で答えられるようになります。

1歳9ヶ月を超えると次第に「ニャーニャーきた」などの二語文が話せるようになり、発音もかなりはっきりしてきます。
大人の言葉の真似をしながら覚えていく時期でもあるので、大人の口癖がうつってしまって驚くこともあるかもしれません。

2歳以降になると語彙数が突然増え、一気におしゃべりが上手になる「言語の爆発期」が到来しますが、その土台は1歳のころの言葉のストックにあります。

言葉にできない思いを大人が言葉にして代弁することで、語彙を増やして習得していきます。
言葉に出来ない感情に寄り添う事を意識しましょう。
絵本や歌などからもどんどん言葉を習得していくので、遊びの中で意識して取り入れていくといいでしょう。

 

社会性

1歳になり歩けるようになってくると行動範囲が広がることから好奇心も旺盛になり、探索行動が盛んになります。

そのため周囲の友だちに関心を持ち始め、相手の遊びに興味を示しますが、まだ協調やルールは理解できませんので、物の取り合いやひっかき、噛みつき、癇癪などのトラブルも多く起こります。

感情表現が幅広くはっきりしてくるものの、言語の発達がまだ不十分であるため、自分の感情をうまく言葉にできずに癇癪を起こしてしまう事も増えてきます。

1歳7ヶ月くらいから自我が芽生えるため、自己主張が強くなります。
「いやいや」をしたり、行きたい方向に大人を引っ張ったりするでしょう。

自立心も強まりますので、なんでも自分でやりたがります。

また好奇心もますます強くなり、散歩中に興味を引くものがあるとしゃがみ込む、立ち止まるなどして関心を示したり、興味のあるものを指さして「これなぁーに?」と問いかける回数が増えるでしょう。

大人がやっていることにも興味を示し、真似事や手遊びにも夢中になります。
また相手の遊びにも興味を示し、側で相手の遊びを見ている傍観遊びや真似して遊ぶ並行遊びが始まります。

1歳も後期になり「自分のもの」という理解が進んできた結果、自分のオモチャを友達に貸すのを嫌がったり、ヤキモチをやいたり怒ったりするようになるでしょう。
自分の気持ちをうまく話すことができるようになるまでは、癇癪を起こすことが多くなります。

そして2歳頃になると第一反抗期も始まります。

また1歳から2歳にかけての時期は生活習慣の基礎を作っていく時期になります
生活習慣を身に着けるためには毎日の生活リズムが特に重要です。
睡眠はもちろん、食事、遊び、排泄など、毎日の正しい生活リズムは成長と休息のために必要不可欠なだけでなく、子どもの情緒の安定にもつながっていきます。

 

1歳児の食事

1歳児で離乳食の完了期を迎えます。

乳歯の前歯が生えそろい、奥歯も生え始めて6~8本程度になり、食事の回数も、1日3回くらいになり食事でほとんどの栄養を摂るようになってきます。
また、手を器用に使えるようになってくるにつれてスプーンを使って食事ができるようになるでしょう。

この時期の食事は、食事が楽しい、と思えることが大切です。
食べられる喜びを一緒に感じて、「おいしいね」「一緒に食べると楽しいね」など、積極的な声かけをしながら食べる時間を楽しむようにしましょう。

また、歯の生え揃い方や食べる力、形状によっても食べにくい食材があります。
咀嚼、嚥下など、食事の様子をしっかりとみて進めるようにしましょう。

一方で、自分で何でもやりたいという意欲が出てくる時期でもあります。
食事介助用のスプーンの他に子ども用のスプーンを用意したり、手づかみ食べを承認したりと、子どものやる気をうまく引き出していきましょう。

決まった時間に座って食べさせるなど、食事やおやつの与え方も重要になってくる時期ですね。
大人が一緒に食べると、食具の使い方や、食事のマナーなどを自然と学ぶことができるので、可能であれば一緒に食べる様にしましょう。

生える歯の数には個人差がありますが、2歳までに10~16本程度まで増えます。
歯磨きも必要になってくる時期ですね。

 

子育て1歳児の辛いこと

1歳のお子さんの子育ては0歳の時とは違った大変さがあります。その中でも特に辛いと思ってしまう理由としては

・行動範囲が広がり、活動が活発になる事での怪我や事故等の危険や他の子と取り合いや噛みつき、ひっかき等のトラブルを防ぐために気をはり中々気が休まらない

・手先が器用になる事で何でも蓋を開けたりティッシュなどを全部引き出したり、興味があることを何でもやってしまい、大人がイライラしてしまう

・心が成長して自我が育ち自己主張が強くなりますが、気持ちをうまく言葉にできない等で癇癪を起し、それを受け止める大人もイライラしてしまう

細かくすれば他にもあると思いますが、大きな所ではこの3つが1歳子育ての辛いことの理由ではないでしょうか。

これに対してどうすればいいのかと悩んでいる方も多いと思いますが、この時期の子どもたちの行動は成長していく上で自然な事です。
ですのでどうにかやめさせようと考えるのではなく、怪我や事故、相手を怪我させてしまう事には注意が必要ですが、その他の事は許せるのであれば思う存分させてあげましょう。

どうしても防ぎたいときはお子さんの手に届かず、目に入らない行動範囲の外へと移動させておきましょう。
ここでのポイントは拒否するのではなく受け入れられることはできるだけ受け入れてあげて、やめてほしい事は子どもの目に入らないようにしてやってみたいという考えが最初から浮かばないようにしておくことです。

またどうしても辛い時は周りの方に預けたり、託児所などを利用して数時間だけでもお子さんから離れて気分をリフレッシュさせると気持ちに余裕が出来ますよ。

 

まとめ

1歳から2歳の時期は身体の筋肉がつき動きが大きく変わり、心が成長し自我が芽生え、言葉も多く出て来るようになる時期です。
さらに周囲への興味を持ち、周りとの関りも増えてきます。
その結果、怪我や事故、友達とのトラブル、気持ちを言葉にできないイライラ、様々な事を経験しながらも成長していきます。

その経験全てがお子さんの成長に必要な経験なのです。
受け入れてあげられることはできるだけ受け入れてあげましょう。

しかし、お子さんと一緒にいる大人は対応に追われストレスをためてしまう事あるでしょう。
どうしても辛いときは周りを頼ったり、託児所などの施設を利用していきましょう。

また子どもの成長・発達は個人差がとても大きいです。
歩行の早い子もいれば、なかなか歩きはじめない子もいるでしょう。
言葉に関しても同様です。

子どもが生来持っているものはもちろん、それまでの経験によっても違いが出てきます。
また、言葉が出ない、歩かないなど、他の子と比較して心配になるケースがありますが、発達段階の目安にばかり固執すると、お子さんに負担がかかるばかりか、大人が無意識に焦りや不安を感じてしまうことも考えられます。

多くの場合は大人の考えすぎの事が多いのですが、どうしても心配な様なら保育園の先生や1歳6ヶ月検診などで相談してみるといいでしょう。

この前まで赤ちゃんだと思っていたお子さんも、1歳を過ぎると、言葉を話し、自己主張をするようになり、歩行を始めと、その発達のスピードには目を見張るものがあります。

心身ともに著しい成長を遂げる1歳児。
お子さんの1日1日が発見であり、学びの機会であり、成長の大きなステップです。
毎日さまざまなチャレンジをして、失敗を繰り返しながら自我を確立していきます。
お友だちとのトラブルが増えたり、いたずらをしたりと、大人にとって嬉しくない行動も出てきますが、それも成長の証です。
行動範囲が広がる分怪我への配慮など、気配りもより必要とされますが、日々さまざまなものに触れ、心も体も豊かに育っていくようにしてあげたいものですね。

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