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子どもの偏食、好き嫌いをなくすには

こんにちは、池袋東口託児所「つながり」保育士の柚木です。

子育ての悩みというと必ず出てくるお子さんの偏食、いわゆる好き嫌いですが 結構皆さん悩まれているみたいです。
私は子どもが食べ物を嫌がって食べない理由は大きく分けて2つあると思っています。
一つは味や舌ざわりなど食材そのものが嫌な場合、もう一つはほんとは食べられるけれどその時の気分や周りの雰囲気、一緒に食べている大人の気をひきたいなど食材以外に理由がある場合です。
私の保育園勤務時代に子どもが食べない時はほぼこのどちらかでした。なので今回はそれぞれのパターンの時の対応方法を紹介したいと思います。

どちらのパターンか見極める

まず、子どもが食べない時はどちらのパターンなのか見極めます。
食材そのものが嫌いな子は目に見えた時はもちろん、口に入れた後も嫌いなものだとわかると必ず出します。それは小さくしたとしても気付きます。
初めて口に入れた時はすんなり食べられたとしても後々嫌いになる場合や今までは大丈夫だったのに味付けや調理法を変えたら嫌いになってしまう事もありますが、毎回必ず同じ食材を嫌がる時は食材そのものが嫌いな場合が多いです。

次にほんとは食べられる場合、これは食事毎に嫌なものがかわったり、何も言わないと抵抗なく食べていたのに「それ嫌いじゃなかった?」など意識させる言葉がけなどで思い出したように嫌がる振りをします。ただ、今まで嫌いだったものが食べられるようになった場合もあり、その時に意識させる様な事を言ってしまうとせっかく食べられていたものがまた食べなくなってしまうのでその判断は慎重にしましょう。
また、ほんとは食べられる場合、家庭では食べないけど保育園では食べる。またはその逆パターンになっている事もありますので保育園での食事の様子などを聞いてみてください。

食材が嫌いな場合

では次にどうやって改善していくかですが、まずは食材そのものが嫌いな場合これは長期戦になることを覚悟しましょう。私は保育園勤務時代は1年かけて食べられるようになるといいなと考えて進めていました。
まず食材の何が嫌いなのかを見極めます。2~3歳ぐらいになると少しずつ言葉もわかるようになるので言葉と態度から判断していきますが、嫌いになるポイントとしては、味、舌ざわり、柔らかさ、見た目、色合いなどがあります。食材のどの部分がどんな理由で嫌いなのかを判断しましょう。
子どもによくあるのは食材の一つの部分が嫌いになると食材全体が嫌いになってしまう事です。なのでそれらの嫌いな部分を取り除くか、切り方や調理法を変えてみたら食べるかもしれません。
または目の前で嫌いな部分を取ってあげると目で見て確認できている分、安心して食べてくれる事もあります。

私が保育園勤務時代もトマト、プチトマトが嫌いな子がいましたが、その子はトマトの種の周りのドロッとした所が嫌いでトマト全体が嫌いになってしまっていました。
そんな子には
①無理に進めず一緒に食べる雰囲気に慣れ、楽しく食事を食べる

②雰囲気に慣れてきたら嫌いな部分以外を食べるように誘い掛ける(食べられる大きさまで小さくしていく)
※最小1ミリぐらいの欠片にまでしたことがあります。

③食べられたら大げさに褒める、複数人から褒めてあげるとなお良い
※保育園だけでなく家庭でも褒めてもらうように伝えました

④しばらく食べられた大きさで食べて慣れてきたら少しずつ大きくしていく

⑤ある程度の大きさを食べられるようになったら、嫌いな部分のほんとにひと欠片と食べられていた部分どちらかを選んで食べるように誘い掛け、嫌いな部分を食べられたら大げさに褒める
※嫌いな部分を進めはするが絶対に強制はしない、子どもが選んで自分から食べたと自信をつけさせる

⑥いつでも嫌いな部分とそれ以外を選べるようにしておきながら慣れてきたら大きくしていく

⑦嫌いな部分をある程度の大きさを食べられるようになったら、今度は嫌いな部分とそれ以外を一緒にした小さい欠片と今までの嫌いな部分とそれ以外を別々にしたのとまた選んで食べるように誘い掛け、一緒にした部分を食べられたら大げさに褒める

⑧一緒にしたものを食べて慣れてきたら大きくしていく

これで最終的に食べられるようになり、1年後にはその子が自分からプチトマトをおかわりまでするようになっていました。

ポイントは
〇嫌いな部分と理由を見極める
〇子どもが少しでも食べられたと思い、食べた経験と自信がつくようにする
〇1回食べられても次も食べられるとは考えない
〇褒める時は大げさに、複数人の大人から褒めてもらう
〇食べられても食べる大きさを急に大きくしたりせず少し大きくしたらしばらくそのままの大きさで食べる
〇食べたがらない時は無理強いはしない

ほんとは食べられる場合

二つ目、ほんとは食べられる場合は食べている時と食べない時の何が違うか比べてみましょう。それは調理法だったり一緒に食べている人の顔ぶれだったり、周りの雰囲気によって代わることが多いです。
そして以前食べられたのなら食べられた時と同じ物を出してみましょう。もしかするとすんなりと食べてくれるかもしれません。その場合は食材そのものではなく味付けや切り方、調理法に食べない理由があるのかもしれません。
食べない食材を今までは大人の大きさで出していたけど、子どもの口の大きさを考え、もっと小さくして切り方も変えたらすんなり食べてくれたと聞くこともありますのでご家庭での料理の際には注意してみてください。
なので、保育園では食べるのにという場合は、可能なら保育園での大きさ、切り方、柔らかさ、味付けなど聞いてみるのもありです。

保育園で両親に保育参加してもらい、保育園での一日を体験してもらうと9割以上の親御さんが家の料理と保育園の給食が違うと感想をいただいていました。それだけ普段の料理が“大人の”料理になっていたという事です。
子どもと大人では口の大きさも噛む力も違います。普段の料理が大人の食べる基準で作られているとそれが理由で子どもは食べなくなってしまう事もあります。今一度ご家庭での料理が本当に子どもに合ったものなのか見直してみてください。
ただ、大人用と子ども用で分けて作るのも大変です。その手間の時間を他の事に使いたいという気持ちもわかりますので、毎日無理にでもやって下さいとは言いません。ただ子どもが食べない理由がもしかしたらそこにあるのかもと頭の片隅にでも覚えておいていただけたらと思います。

また一緒に食べている大人がすごくおいしそうに食べているというのも有効です。子どもは大人、特に両親のマネはしたがるものですし、大人のする事はカッコいいと思っていますので、大人がすごくおいしそうに食べていると「じゃあ、食べてみようかな」という気になって食べてくれることがあります。
しかし、注意点としては大人が嫌いで食べないものは子どもも食べなくなるという事です。大人が食べられないものをいくら子どもに進めても子どもにはそれがおいしそうには見えないものですし、説得力はありません。
なのでそんな時は、「一緒に頑張って食べよう」と誘い掛けてみましょう。大人も嫌いなものを頑張って食べるなら一緒に食べてみようという気にさせてあげれば、子どもは食べてくれます。

だから好き嫌いをしているお父さん、お母さん“大人だから食べなくていい”はではなく、子どもにかっこいいと思ってもらえる大人になるために頑張りましょう。

注意点

ここまで、子どもが嫌いな物でも食べられるようにということで書いてきましたが、一つ大事な注意点があります。それは子どもが食べないものの中にアレルギーがあって食べられないものが隠れている場合があるという事です。ご両親であればもちろんそれは把握していると思いますが、祖父母や親戚、友達など普段あまり関わりがないとわからないことがありますので、子どもが食べないからと無理強いしたりすることはやめましょう。

子どもの嫌いな理由というのはほんと小さな事で食材その物、ひいては料理自体を嫌いになってしまう事もあります。
初めて口にして今まで食べたことが無い衝撃にびっくりして嫌いになるという事もあり、大抵は何度か口にしていると平気になってしまう事がほとんどです。
そこを大人がうまくフォローしてあげる事で少しでも食事をおいしく楽しく出来るようにしていきたいですね。

-ぶろぐ